「チヒロ・・・・お前」 「どうしたんですの?結果はどうですの?」 「これを見ろ・・・。」
チヒロは驚きの表情を隠せない3人に見守られながら恐る恐る結果を見た。
「・・・あの・・・全然分かりませんわ!」 「チヒロ・・・この結果はお前と同じ歳の奴らの平均をはるかに超えた数値だ・・・。」 「勉強はできると思ってましたが、まさかこんなにすごいなんて〜!!」 「最初の頃のミディみたいだな」
デイヴィスは懐かしそうに笑った。そのデイヴィスの言葉にミディは少しばかり照れた。
「あの・・・それじゃ私は宇宙でもう飛べるんですの?」 「は?バカ言え!!結果は良かったとわ言え、お前はまだまだ新米なの!!これから体を鍛えたり色々あんだから油断すんなよ!!!」 「・・・で、ですわよね〜」 「ですわよ!!」
そう言うとミディは軽くチヒロの鼻を小突いた。一瞬、眉間にしわを寄せたが結果の紙を見ながらチヒロは嬉しそうに笑った。
「よ〜し!!これからミディさんの部屋でお祝いですね!!買出しいってきます〜!」 「勝手に人の部屋ですることを決めんな!!しかもこんな夜中に!?」 「いいじゃねぇか!たまには!」 「デイヴィス!お前は帰れ!」 「俺、明日朝からの仕事じゃないも〜ん!だからチヒロちゃん、俺と一緒に朝まで騒ごうねぇ〜!!」 「え・・・・!!!///」 「何赤くなってんだテメェは!!!」 「なってませんわ!!」 「へぇ〜・・・そうなんだ・・・ヒヒヒ」
ピロリは3人の話す姿を出かける寸前まで見つめていた。このままずっと4人でいられたらどんなに幸せか・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・雪・・・・
「え?」
ピロリは立ち止まり辺りを見回した。最近よく聞く空耳。気になる声、名前・・・・それは懐かしく、どこか切なくなるような感じ・・・
「また・・・空耳・・・雪って誰だろう・・・。」 「ピロリ?どうした?」
すっかり立ち止まっているピロリにミディは問いかけた。
「あぁ・・いえ!なんでもないですよ〜!!じゃ、じゃあ買出しに行ってきます!!!」 「お、おう・・・」
ミディは走り出すピロリの背中を見えなくなるまで心配そうに見つめていた。
「もしもし・・・じい?ごめんね起こしちゃって・・・。どうしたのって?どうもしないよ・・・ただ今日は見つからなかったって言いたかったんだ。・・・・分かってるよ。僕はそんなことで諦めたりしない・・・うん・・・絶対に・・・。」
『坊ちゃん・・・コレだけは覚えといてください・・・。じいはいつでも坊ちゃんの見方ですぞ』
「うん・・・ありがとう、じい」
――――懐かしい夢を見た・・・。2年前の記憶なのに靄がかかったような記憶が、いきなり晴れたようだ。凄く鮮明だった・・・。
夢・・・あの時答えられなかったのは・・・見えなかったのかもしれない・・・。
サンはベットに横たわった。そして鞄から小さな飛行機の模型を出した。
――――サン・・・私が直してあげる!!――
「君が直せなかった模型はただひとつコレだけだよ・・・。」
でも・・・それから彼女は本気で整備士の夢を叶えようとしていた・・・。そんな君に置いて行かれるのが怖くて必死に止めた・・。
「思えば僕が君を動かしちゃったのかも・・・。」
模型をいじり、そう呟くと大切に枕元に置いた。
―――僕はもう、何もいらない・・・・ただ・・・・君が・・・・――――
東の空がぼんやり赤く染まりだした。辺りは一面うっすらと霧がかかり、視界は最悪だった。
「ん・・・・・・」 「・・・もう起きたのかい?」 「あ、すいません・・・って・・キャ!!!!!」
ヴィッテルは急いで上半身をシーツで隠した。
「す、すいませんナツ様!私ったら・・。」 「いや・・・別に構わないよ・・・。私はすぐにここを出るからね。」 「あ、あの・・また来てもいいですか?」
そういうヴィッテルにナツは微笑み部屋から出た。ヴィッテルはベットでナツとの余韻に浸った。
「ナツ様・・・・」
「もしもし・・・私だ。急にで悪いんだけどジェットを早急に用意してくれないか?・・・うん・・・分かった。感謝するよ。」
「ナツ、やっぱり行くのか?」 「先生?!」 「私は構わんのだよ?」 「でも・・・私が構わないもんですから」 「そうか・・・。」 「はい・・・行って参ります」
黒い車に乗りナツは空港に急いだ。
「ナツ・・・気を付けるのだぞ・・・」
「お、おい!!!まだピロリちゃんが帰ってきてないのに飲むなよ!!」 「うるへ〜へっぽこぴ〜が!!」 「ミディさん・・・?」 「って・・もう酔ってるよコイツ・・・はぁ〜」 「おひ!!ちひほも飲め〜!!!」 「止めろ!!勧めるな!!」 「うっせ〜!!ほれ!!ちひほ〜」 「え、い、いや!!え!ちょっと!!・・・いやぁぁぁぁ!」 「あ!コラっ!」
「ただいまです〜!おつまみ買って来ましたよ〜!!」 「おう!!!待ってたよ〜ン!ひろり〜!うい〜!」 「遅いですよ〜ピロリしゃ〜ん!早くの飲みまふ〜!!」
「え・・・っと・・・デイヴィスさん・・?」 「すいません・・・止められませんでした・・・クスン・・・。」 「私達って・・・大変ですね・・・」 「まったくです・・・。」
「おい!!おい、ひろり!!お前のそっくりさんがでてるじょ〜!」 「あぁ〜一昨日のニュースですよ!」
「ホントにピロリちゃんに似てるな〜!!」 「そうですか〜?あ〜あ〜、こんなとこで寝たら風邪引きますよチヒロちゃん〜!」
「え・・・・・・この声・・・」
――――雪・・・―――
「どうした?ひろり?」 「も〜しも〜しピロリちゃん?」
心配する二人の横でピロリはスイッチが切れたように止まり前に倒れた。
「おい!!!ピロリちゃん??!!」 「お、おい!!ひろり???」 「お前はいいから!俺医務室に連れてくわ!!!」 「で、でも!!!お前はチヒロちゃんを!!」
そう言うとデイヴィスはピロリを抱え、医務室へ走った。ピロリは心にポッカリ穴の開いた気分になりながらも必死で気持ちを埋めようとした。 /☆